個人経営の5つのメリット
個人経営の5つのメリット
他では、個人経営と会社設立の違いを簡単にお話ししました。
しかし、細かく比較をすると両者にはさらに多くの違いがあるので、ここからは個人経営と会社設立のメリット・デメリットに目を向けて、もう少し詳しく解説します。
まずは、個人経営のメリットについて見ていきましょう。
1.独立に手間やコストがかからない
個人経営で独立をする際には、開業届を提出するだけなので特に手間がかからないです。会社設立のように登記費用もかからないので、個人経営は初期コストを抑えやすいスタイルといえるでしょう。
土地や建築物、商品などがすでに存在している場合には、ほとんど初期コストをかけることなく事業をスタートできます。
2.運営の手間やコストを抑えられる
独立後の手間やコストがかからない点も、個人経営の大きなメリットになります。個人経営は事務負担が少ないですし、会社設立に比べると社会保険の負担もかからないです。
もちろんケースによって異なりますが、個人経営のほうが労力や資金を好きなところに費やせる可能性が高いといえるでしょう。
3.簡単に事業を廃止できる
独立時と同様に、個人経営では事業を廃止する際にも特に手間がかからないです。事業廃止の届出を提出するだけですし、特に大きな費用をかけることなく廃止することができます。
4.税務処理に手間がかからない
個人経営における税務処理は、確定申告にて行います。
個人事業であれば収支もそこまで複雑ではないため、経営者がひとりで税務処理をするケースは珍しくないでしょう。
近年では確定申告用のソフトウェアなども販売されており、経営者ひとりでも簡単に確定申告ができる環境が整っているといえるでしょう。
5.自由に経営することができる
個人経営では株式を発行しないので、経営者が自由に経営をすることができます。
融資・出資を狙う場合には、第三者の意見を経営に反映する必要性が生じることもありますが、それでも意見を反映する義務が生じるわけではないのです。
すでに将来のビジョンを決めている経営者にとって、この点は大きなメリットとなるでしょう。
個人経営の4つのデメリット
次は、個人経営のデメリットについてご紹介します。
比較的手軽に独立できる個人経営ですが、以下で挙げるデメリットとはきちんと向き合う必要があります。
1.社会的な信用性が低い
会社を設立した経営者に比べると、個人経営の経営者は社会的な信用性が低い傾向があります。
この社会的な信用性の低さにより、以下のような弊害が生じる可能性があるでしょう。
①金融機関からの融資を受けにくい
②取引先を見つけにくい
③消費者から評価されにくい
特に上記の①は資金調達に関わる部分なので、「独立後に資金を調達すれば良い」と考えている方は要注意となります。計画通りに資金調達が進まない可能性もあるので、資金繰りには細心の注意を払う必要があります。
2.節税の手段が限られている
個人経営は経費として認められる範囲が狭く法人税が課されないので、会社設立に比べると節税の手段は多くはありません。交際費に関する制限はありませんが、一定以上の利益がある場合には会社設立より損をしてしまう恐れもあります。
3.家族への給与に関して制限がある
個人経営では、原則として経営者が家族へ給与を支払うことはできません。仮に支払いたい場合には、税務署へ青色事業専従者給与として届出をする必要があるのです。
夫婦や一族経営などによる個人経営を検討している方は、必ず確認しておきたいポイントになります。
4.決算期間を自由に決められない
個人経営では確定申告によって税務処理をするので、決算期間を自由には決められません。確定申告は前年の1月1日〜12月31日が対象となるため、毎年この期間が決算期間となるでしょう。