生命保険の仕組みと必要性
生命保険の仕組みと必要性
生命保険とは、互いが助けあう相互扶助という仕組みで成り立っているのです。
保険契約者全員が保険料を出し合うことで、病気やケガで死亡した人に対して支払われる保険金が用意されます。
この仕組みをわかりやすく説明します。
大勢の人がお金を出し合うことで保険金が準備できる仕組みとは?
人が亡くなると、以下のようなお金が必要になります。
必要となるお金
残された家族の生活費
葬式費用
お子さんがいる場合は教育費も必要ですし、返済すべきローンが残っている場合があるかもしれないです。
仮に、ある人が亡くなったときに、残された家族には3000万円が必要だとします。
この家族はもしもに備えて3000万円を準備しておかなくてはいけませんが、毎月、貯蓄に回せるのは2万円くらいしかないとしたら、どうなるでしょうか。
月に2万円ずつの貯蓄ですと、年間では24万円です。
これでは3000万円を貯めるのに100年以上かかってしまいますから、これは事実上不可能だといえます。
もしも、かなり頑張って月に10万円、年間で120万円を貯蓄できたとしても、3000万円貯まるのは25年後になります。
あまり現実的ではありません。
そこで、大勢の人が集まって、お互いを助け合うことにしてはどうでしょうか。
たくさんの家族が、それぞれ月に2万円を出し合って、全家族が出したお金を貯めておくことになるのです。
相互扶助の仕組み
1000組の家族がいれば、ひと月だけで2000万円が集まるため、この仕組みを25年間続ければ60億ものお金になる計算になります。
そして、この25年間のうちに、不幸にも大黒柱が亡くなってしまった家族に対して、集めたお金から3000万円を支払います。
人はいつか亡くなりますが、たいていはもっと歳をとってからでしょう。
1000組の家族がいても、その中から25年間のうちに亡くなる人が出る確率はそう高くないので、みんなから集めたお金で足りることになります。
これが、相互扶助による生命保険の基本的な仕組みになります。
実際には、保険会社は一定期間に何人の人が亡くなるか、統計などから確率をもとめ、お金が足りるように保険料を設定しているのです。
保険の必要性とは?
こうした生命保険は、本当に必要なのでしょうか?
もしもの場合に必要なお金が、すでに手元にあるという場合は保険を準備する必要はないともいえますが、なかなかそれだけの貯蓄がある人はいないのです。
注意
もちろん遺族年金など、公的な社会保険制度から用意できる部分もありますが、必要な額は家庭によって異なり、すべてを社会保険でまかなえるとは限らないです。
そうすると、やはり社会保険で不足する分は、民間の保険で準備するのが得策になるでしょう。
解説したとおり、多額のお金を貯蓄で準備するのは時間がかかりますし、起こるかどうかわからない出来事に備えるお金は、保険で対応するのが適しているといえるでしょう。